法人化による相続税対策

不動産を個人所有から法人所有に移転することで、相続税の評価額を大幅に圧縮できる場合があります。特に賃貸不動産を多数所有する地主にとって有効な対策です。

🏢 個人所有 vs 法人所有の違い

個人所有

不動産 3億円
相続時 3億円で評価
相続税:高額
VS

法人所有

不動産 3億円
株式に変換
株式評価 2億円程度
相続税:軽減
評価減効果:約30-50%の節税が期待できます

法人化のメリット

株式評価による減額効果

不動産の評価額より株式評価額が下がることで、相続税評価額を大幅に圧縮できます。

例: 3億円の不動産 → 2億円の株式評価

所得分散効果

家族を役員にして役員報酬を支払うことで、所得を分散し税負担を軽減できます。

例: 年収2,000万円 → 家族4人で500万円ずつ

経費計上の範囲拡大

法人では個人より経費として認められる範囲が広く、税負担を抑えられます。

例: 車両費、会議費、研修費など

消費税還付

建物建築時の消費税還付を受けられる可能性があります。

例: 1億円の建築で最大1,000万円還付

株式評価の仕組み

同族会社の株式評価は以下の方法で行われ、不動産の直接所有より評価額が下がる仕組みがあります:

類似業種比準価額

類似業種の上場企業と比較して算定

配当
+
利益
+
純資産
=
株価

純資産価額

会社の純資産から算定

資産
-
負債
-
税金
=
株価

併用方式

上記2つの方式を一定の割合で併用

類似業種 70%
+
純資産 30%

法人化の手順

1

資産管理会社の設立

定款作成、登記申請、各種届出を行います

定款作成 法務局登記 税務署届出
2

不動産鑑定による適正価額の算定

現物出資や売買のための不動産評価を行います

市場調査 評価算定 鑑定書作成
3

不動産の現物出資または売買

個人から法人への不動産移転を実行します

所有権移転 株式取得 登記完了
4

賃貸管理の法人への移管

賃貸契約や管理業務を法人に移します

契約承継 管理移管 収益移転
5

家族への株式贈与(段階的実施)

年110万円の贈与枠を活用して段階的に株式を贈与

段階的贈与 家族分散 節税効果

活用事例

地主Eさんの法人化事例

法人化前の状況

賃貸不動産
3億円
アパート5棟所有
年間家賃収入
3,000万円
個人の所得税率高
個人所有時の相続税
1.2億円
高額な税負担
法人化実行

法人化後の効果

株式評価額
8,000万円
約67%の評価減
所得分散効果
年500万円
税負担軽減
相続税軽減額
約4,000万円
大幅な節税実現

注意点・デメリット

設立・維持コスト

法人税、事務負担、税理士報酬などの継続的なコストが発生します。コスト対効果の検証が重要です。

流動性の低下

個人の自由度が制限され、資産の処分や活用に制約が生じる場合があります。

借入金利

金融機関によっては個人より法人の方が金利が高くなる場合があります。

出口戦略

将来の売却時の税負担や手続きの複雑さを事前に検討する必要があります。

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